算命学と西洋占星術
算命学は、人間は自然物であり、自然の法則に左右される存在であるという「思想学」と、その法則を使って人がより良く生きるためにはどうすればよいか、実証と検証を行う「運勢学」が組み合わさってできた学問です。
一方で西洋占星術は、天体観測を中心とした「天文学」と、星の動きが人間に影響を与えるという「占星術」を中心に成立した学問。鑑定に生年月日を用いるところは算命学と同じですが、西洋占星術が生まれた時の天空図(ホロスコープ)から読み解くのに対し、算命学は生まれた日の”気”を表した干支から考察します。私たちが初めて会った人の第一印象をその後も引きずるように、自然においても人は生まれて最初に受けた気が自然の中での第一印象となって、その後の運勢を決めると考えられているのです。干支の中には自分だけでなく先祖や家系、親、配偶者、子など様々な人間関係までもが書き記されています。
算命学がユニークな点は「運勢学」の裏付けに「思想」があり、運勢学と思想学とがセットになって成り立っているところです。算命学で使われる技法や理論は、全て自然思想に基づいた裏付けがあります。「どうしてそうした鑑定になるのか?」に答えられない思想なき技法・理論は、一切採用されていません。
よく「算命学は占いですか?」と聞かれることも多いのですが、そもそも算命学は占いとして生まれた学問ではありません。生きていく中で誰しもが思い当たる「人(自分)は何故生まれてたのか」という問いに、答えようと生まれたのが算命学でした。
紀元前に生きた先人たちはその大きな命題に、「何故なら自然がその役割を必要としたからだ」という結論を導き出しました。生年月日は自然が人に授けた”顔つき”だと考えられています。「生まれた時に初めて受けた気」(=生年月日)こそが自然が人に託した役割を記した謂わばIDカードだとし、人間がこの世に生きる限り生涯左右される自然の法則(宿命)を解き明かそうとした学問が算命学です。その的中率と有効性に着目し、人生における開運や未来予測に活用したのが占いに相当する部分だと言えるでしょう。
西洋占星術が「天」と「人」の二つの関係性に着目したのに対し、算命学では「天」「地」「人」の3つを基盤にしていることも大きな違いです。天と地の違いは、天には時間がなく地には時間が流れていること。だから算命学では運勢を論ずる時に、季節感をとらえて表します。夏の木と冬の木が、春の太陽と秋の太陽が趣が全く異なるように、運勢における役割もまた季節感により異なると考えているのです。さらに万物には陰陽があると考える陰陽論、自然は5つの質に分けられるという五行思想もまた、西洋にはない算命学の基本となる考え方でもあります。
算命学では陰陽論の観点から、陽の世界(精神)と陰の世界(現実)を対等にとらえています。「目に見えるものしか信じない」という発想はありません。それゆえ目に見える現実世界にあることは同じようにまた、目には見えない精神の世界にあると考えられているのです。仕事など現実世界に好機があるのだとすれば、精神世界でも同様。目に見えないけれど確かにある”気”の正体を解き明かし、人に備えられた宿命や性格、運気のタイミングを知り、人生戦略に役立てる。それが算命学なのです。
ここまで読んで、算命学が説く自身の宿命や運勢について興味が湧いてきたでしょうか?
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